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チューブレスタイヤの装着法(決定版)

数々の失敗から得たノウハウ


以前の記事でも軽く触れましたが、チューブレスレディのタイヤとホイールに戯れること1年、ほぼ決定版と呼べる施工方法にたどり着きました。これでほぼ失敗は無くなったと言えるところまで到達できたのは、なかなか喜ばしいことです。

試行錯誤の過程で、かなりの時間とツールへの投資を消費してきましたが、これは自分自身のノウハウとして大きなものなので、ほかの方にも共有できるよう、ここに記します。
参考にしたのは、これも過去に触れたRene Herse Cyclesのヤン・ハイネ氏のブログ記事ですが、これを元にアレンジをしています。
ただし、グラベル〜オフロードでの運用を前提としています。ロード(ターマック)の場合は、若干事情が異なるのかもしれません(たぶん基本は一緒だけど自分でやったことないので)。

 

準備するもの


・チューブレス(コンバーチブル)タイヤ
・チューブレス(コンバーチブル)ホイール
・チューブレスバルブ
・IRCチューブレスタイヤレバー
・フロアポンプ
・シーラント(チューブレスコンバーチブルの場合)
・チューブレス・リムテープ
・予備として中性洗剤と希釈容器(瓶でも皿でも)とハケ(100円均一でOK)

 

1.チューブレス・リムテープを巻く


tesa.png

これも以前書きましたが、チューブレス用リムテープは3M 8898またはTESA 4289という仮固定テープを使用します。同等品というか、これをチューブレス用リムテープとして各社販売しています。
幅は、ETRTO 700x30C(つまり内幅30mm)くらいまでのものの場合、内幅に対して+4〜5mmのものが適当です。大まかには、リム外幅と同じ幅のテープと考えればよいと思います。

3Mの仮固定テープはAmazon.co.jpでも購入できますが、18/24/48mmしかラインナップがありません。


したがって、TESA 4289をAliexpressで購入することをお薦めします。商品ページがころころ変わるので、画像をヒントに"tubeless rim tape"で検索してみてください。

MAVICタイプの薄手の銅色のものは、後述の理由でお薦めいたしません。
rimtapethin.jpg


さて、これ(3MもしくはTESAテープ)を施工するときのコツですが、リムに対しての接着力は弱いので、張り始めが剥がれてきます。ただ、テープ表面への接着力は十分なので、必ず終端を越えたところに張り付けるのがまずポイントとなります。
……と考えると、バルブ位置のところに終端が来るのは望ましくないので、バルブ位置を12時として、3時もしくは9時から張り始めます。スタートが3時だとしたら4時半くらいまでの位置まで張ります。
言うまでもありませんが、リムテープはリムのセンターに(幅が合っていれば問題なくできます)。引っ張るように張っていきます。
そして終端の処理ですが、先述のようにスタート位置は剥がれやすいので、(僕の場合)左手でリムを持ちながらリム中央のテープを押さえるように引っ張り、右手でテープのリングを引っ張りながらテープ同士がたるみなく付くように張ります

よく「テープをリム中央に、密着させるように張ります」という記述を見かけますが、中央に張るのはテープの幅さえ合っていれば簡単だし、密着させるのも(スタート端以外は)ちゃんとテープを引っ張りながら張れば難しくありません。一番重要なのは、テープの円周がリムの円周とほぼ同等になり、隙間無くリムに張れることです。これがゆるいと、エアやシーラントが漏れる原因になります。

 

2.バルブを取り付ける


きちんとリムテープを張れたら、バルブを取り付けます。千枚通し等でリムホール部分のテープに穴を開けて、バルブを挿し込みます。

バルブは、リムハイトに合ったものを使います。専用品がある場合を別として、30mm程度のリムハイトの場合、45mmのチューブレスバルブだとポンプヘッドが咥えてくれないので、50mm以上のものを使いましょうTNIがお薦めですが、Aliexpressで探してもよいと思います。
TNI55mmvalve.jpg

チューブレスバルブを取り付ける際は、バルブを通したら、まずゴムリングを通し、ワッシャーをねじ込みます。軽く終端までねじ込んだ後、バルブのリム外周側をぐっと押さえてからさらにねじ込むのが確実です。素手でねじ込める範囲が適正なので、この作業での工具は不要です。あまりワッシャーを強くねじ込むとゴムリングがちぎれますので、スペアを購入しましょう。

 

3.タイヤをリムに取り付ける


これは難儀する部分ではありますが、タイヤをリムに取り付けます。クリンチャーよりだいぶ硬いものも多いので、ビードをよく伸ばしてからやりましょう。
どうしても取り付けられない場合はIRCのチューブレスタイヤレバーで上げますが、個人的には外す方が難しいです。できれば作業用グローブを使って、タイヤレバー無しで取り付けられるとよいと思います。

 

4.ビードを上げる前にリムテープのめくれをチェック


クリンチャーのときは、あんなにチューブがリムに噛み込んでいないかチェックしていたのに、なぜかチューブレスではチューブが無いせいで、こうしたチェックを怠りがちですね。

先述したようにリムテープが剥離しているとそこからエアやシーラントが漏れるので、タイヤを取り付けた際にリムテープがめくれていないかチェックします。

 

5.ビードをフロアポンプで上げる


チューブレス用インフレート・ポンプも買ったのですが、結局正しい方法さえ身に着けてしまえば、フロアポンプでビードは上がる、というのが僕の結論です。

まず、左右両方のビードがリムセンターにいることを確認します。特にバルブ部はちゃんと両側のビードのセンターにバルブがいることを確認します

そして、バルブ部を上にしてリムを左手で持ち、頂上部のタイヤを少し握り込むような形で軽く押さえながら右手でポンピングします。なぜ押さえるかと言えば、バルブ付近のリムとビードの密着度を上げるためです。うまくいけばタイヤに空気が入っていくので、ある程度形状が保たれます。左手を離してリムを立てかけ、「パキン、パキン」という音が聴こえるまでポンピングを繰り返せば、リムはビードに上がります。

ビードが上がらない理由は、リム(リムテープ)とビードの間に空白があって、そこから空気が漏れるためです。
なので、ビードが上がらない以前に、タイヤに空気が入っていきません。
その場合、リムテープをもう1周巻いて(2周かもしれませんが)リム内周の直径を大きくし、ビードとリム(テープ)の隙間を最小限にします。
先述した、「MAVICタイプの薄いリムテープを使わない理由」はそこで、多重巻きしても厚さを稼ぎにくいからです(もう一つ、裂けやすいという弱点もあります)。

また、ビードを石鹸水を塗布するという工程を以前は僕もしていましたが、ヤン・ハイネ氏の指摘で、ここでリムテープを追加したい場合に、一度リムテープを剥がして、石鹸水を拭き取るという工程が増えてしまうため、石鹸水の塗布を省略するようにしましたが、今のところうまくいっています。

 

6.空気を入れてしばらく置く


これは僕の独自アイディアです。

ここまでの手順を守って施工したはずが、いざシーラントを入れてみるとリムとリムテープの間にシーラントが浸透して、スローパンクしていることがたびたびありました。
ということは、リムとリムテープの密着度が上がればいいわけで、それに対して有効なのは空気圧です。

なので、タイヤの空気圧上限の8割くらいまで空気を入れて、しばらくそのまま放置します。僕の場合は大体一晩は様子を見ますが、1時間程度でもいいように思います。意外とそんなに多くのエアは抜けません。一晩で1barくらいまで落ちたとしても、意外とタイヤの形状を保つ程度には空気が残っています。

このとき、リムテープが破れていたり剥がれていたりしたら、ニップル穴からシューシューという空気漏れの音が聴こえてきますので、施工をやり直してください。
バルブの根本の場合は、バルブワッシャーを締めましょう。

ちなみに空気圧を最大の8割程度というのは、バーストを回避するためです。実使用のときもそのくらいを目安とした方が、チューブレスコンバーチブルの場合は適正だと思います。タイヤに書かれた最大空気圧はクリンチャー運用時のものです。クリンチャーの場合は先にチューブが破裂しますが、チューブレスの場合はバーストしたり、最悪の場合リムフックが飛びます。

 

7.シーラント投入


ここまで問題なくできたら、いよいよシーラントを投入します。

まず、シーラントはよく振ってから使います。1分くらいよく容器をシェイクしてください

僕はインジェクター代わりに100均で買った注射器型のスポイトを使っていますが、場合によってはタイヤのビードを片側だけ外して、ドバドバと容器からそのまま目分量で投入してしまいます。
「場合によっては」というのは、現状では面倒な場合(笑)なのですが、6mm以上の穴を塞ぐとされる粒子形状の大きいシーラントの場合は詰まる恐れがあるので、そのままタイヤに注がないといけません。
また、インジェクターを使った場合は、使用後に水洗いすること。これを怠ると簡単に目詰まりします。

ビードを外した場合は、先に書いたビード上げの要領で再びビードを上げます。一度やっていればもう難しくはありません。

ところで、「シーラントは汚れるから(チューブレスは)嫌だ」という意見もよく耳にしますが、僕もさすがにこの作業はベランダでやっています。注意さえすればそんなにこぼすことはないので、ベランダにシートや新聞紙を敷いてやればそんなに大変ではないと思います。
シーラントで困るのはうっかりこぼしたときで、タイヤの交換時にビードからタイヤを落とした状態で室内に持ち込んだら隙間からこぼれたとか、そういう類の場合です。フローリングやクッションフロアなら、濡れ雑巾で拭けばいいので、そんなに毛嫌いしなくてもよいと思います。僕はクリンチャーで使う、チューブとタイヤの張り付きを予防するタルカムパウダー(ベビーパウダー)も同じくらい厄介だと思っているので、そんなに気になりません。

 

8.シーラントをなじませる


ホイールを上下に揺すったりして、タイヤ全体にシーラントが行き渡るようにします。
できればホイールを水平に置いて、一晩くらい放置しておけば、リムとの細かい隙間も大体塞がります。

このとき注意したいのは、シーラントが詰まるので、できればバルブ側は上にしておきたい、ということです。
「ホイールを水平に」と書いておきながら矛盾しているようですが、本当に水平に置かなくてもいいので、ハブのエンドを地面への接点としてバルブ側は上に来るようにします。

また、個人的な装備の話ですが、リムの継ぎ目からエアやシーラントが漏れることがあるので、その意味でもバルブの反対の位相が下に来るようにします。

 

それでもエア漏れは起こりうる


こうして手順として書くと非常に長くなりますが、一つ一つの工程のポイントと理屈を理解すれば、ほぼ無意識に作業できます。

ただし、この手順を踏まえて施工しても、リムとタイヤの相性はどうしてもあって、ある程度のエア漏れは起こる可能性は否定できません。それでも、ライド中に空気圧が落ちたりする危険性は、確実に(クリンチャー並みからそれ以上に)減らせます。

空気圧が下がりすぎると、最悪の場合バーストが起きますが、それ以前にタイヤの変形量が大きくなってグリップを失います。要するにパンクなんですけど。

 

それでもチューブレスを使う理由


最近ではロード(ターマック)の世界でもチューブレスが使われ始めています。理由としては、パンクリスクの軽減や転がり抵抗の軽減などいろいろ言われていますが、本当のところはよく分かりません。マーケティング的な話かもしれませんし。レース使用でチューブラーと比較した場合のメリットは、シーラントを入れた場合だとあまりピンと来ないです。

ただ、オフロードの場合はどうしてもパンクリスクが高く、クリンチャーでパンクした場合はおなじみのチューブ交換が必要ですが、チューブレスの場合はとりあえずシーラントが塞いでくれるということの安心感は計りしれません。
ターマックの場合は6〜8気圧での運用が基本ですが、オフロードでは2〜3気圧辺りが基本なので、リム打ちパンクのリスクも相当上がります。その意味で、シーラントがあることでとりあえず乗って帰れるレベルまでリスクヘッジできることは、心理的にも非常に大きなアドバンテージと言えるでしょう。
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